不登校児ママの発達相談外来

発達障害や不登校の子供たちを診療している小児科医です。わが子も発達障害&不登校で日々格闘中。

社会

高専卒ニート

私は大学生のころからずっと同じ美容師さんに髪をケアしてもらっている


美容師さんとは親子共々同年代で、お互いの家族のことなどいろいろ話す間柄


我が家の子供たちのこともぜーんぶ話してある。


先日美容院に行ったときもお互いの子供たちのことをいろいろ話していた。


私が「ドルジもなんとか高専1年生を完走できたよ~」と報告


「でも、相変わらず春休みに入ってもどこにも行かず、ずっと家にいる。


数学オリンピックの問題をネットで調べて『これはオレをうならせる良問だ!』とか言いながら難しそうな問題を楽しそうに解いてた。


ドルジの才能が行かされる仕事が見つかると良いのけど。。


将来が心配なのは相変わらずよ。。。」と私が言うと、美容師さんは


「わかります。。。頭が良くても仕事ができないことってありますよね。


私のいとこ、実は高専卒で国立大学にも編入して就職したんです。


でも、数年でやめちゃって今はニートです。

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あれ、でもバイトもしてないようだからニートでもない?ただの無職?


一時期『起業する』と起業家のための支援の話を聞きに行ったみたいだけど、『オレの話を理解できる奴がいなかった』とか言って、結局何もせず。


口ばっかりで何もしないのに、こっちが何か言うと正論でねじ伏せてくる。


もう40近いのに、これからどうするんだろう」と言う


その話は初耳


でも、すごくよくわかる。。。。


ひきこもりが増えていると言われているけど、ひきこもりと親和性のある高学歴poorも増えてきているのだろうなぁ。。。


私が診療で関わるのはせいぜい高校卒業後しばらくまでの子供たちだから、それ以上の年代になると直接関わらないけど、耳には入ってくる。


コミュ力やマルチタスクをこなす力が求められる仕事が多くなった今は、美容師さんのいとこのような、ドルジのような子たちにとって、本当に厳しい時代


世界は優しい、けどやっぱり世界は厳しい






治安が良いから・・?

コロナ禍が終わり、最近は飲み会に誘われたり、同窓会が開催されたりと夜にお出かけすることが増えた

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先日も、お世話になっている病院のスタッフたちの飲み会に参加するため、目的のお店に向かって夜道を1人で歩いていた


女子?が飲み屋のある夜道を1人でも歩ける日本ってすごいよなぁ。。。とあらためて実感


というのも、私は海外の反応ブログを時々読んでいて、日本の夜の安全(外国に比較して)を称賛する記事を見かけることが多かったから。。。





でも、こうやって誰でも気軽に夜に出歩ける環境だから、大人が夜更かししやすくて、その影響で子供たちも寝るのも遅くなっちゃう面もあるよなぁ。。。


治安が良いことって無条件で良いことだと思っていたけど、やっぱり物事って良い面だけじゃないなぁ。。。


という私は、飲み会をみっちり楽しんで0時ごろ帰宅


ゆづは寝ていたけど、ドルジとまおはしっかり起きてて「ママお帰り~」と言ってくれた


嬉しいけど。。。早く寝なよ~~~


税制について

今年も確定申告の季節がやってきた





毎年のことだけど、1年に1回しかしないから、入力の仕方や税制の仕組みを忘れてしまう部分もあったりして、いつも時間がかかってしまう


そして、毎年税制の複雑さにため息が出てくる。


よく友達や知り合いにふるさと納税を勧めていたが、今のようにワンストップ申請できなかったころは確定申告するしかなかったから、それを理由にふるさと納税をやらない人がちらほらいたなぁ





なんとなく、気持ちはわかる。


私も、ふるさと納税をする前に確定申告したことなかったら、間違ったことして、脱税みたいなことになったら怖いぁとか考えていたかもしれない


私自身は、働き出して数年後からは確定申告を欠かしたことはないから、確定申告自体に抵抗はなくて、寄付金控除(ふるさと納税)や医療費控除、生命保険控除など比較的簡単なものはスムーズにできるようになった。


でも、投資にまつわる確定申告は何年やってもなかなか慣れない


外国税額控除の申請、配当益や値上がり益・損を総合課税にするべきか申告分離課税にするべきか申告しないべきか、仮想通貨や保険で得た利益を雑所得で申告すべきかどうかの判断など。。。


金額の基準がさまざま、義務の部分と選択できる部分が混在してて、自分にとってどれが最適なのか、何が正しいのかがいつもわからなくなる。


それを調べているとあっという間に時間がたってしまい。。。


税制ってなんて複雑なんだろう


私がいつも確定申告をしながら思い出すのはドラマ「女王の教室」の先生のセリフ・・・

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「日本という国は、そういう特権階級の人たちが楽しく暮らせるように、あななたち凡人が安い給料で働き、高い税金を払うことで成り立っているんです。


そういう特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでいるか知ってる?今のままずーっと愚かでいてくれればいいの」


税金や社会保障費は問答無用で取り立てられるのに、給付金や年金、還付金などは知識を得て自ら申請しないともらえないことも何よりそのことを表しているように感じる
(まぁ、これは日本だけの話じゃなくて多分世界ほとんどの国でそうなっているのだろうけど)


確定申告の時に頭を悩ませると、税制を複雑怪奇にすることで、自分が特権階級の人から試されてるんじゃないかという気分になる。。。


というのは、被害妄想がすぎるかもしれないかな


なんにせよ、税制がもう少しわかりやすくなってくれると良いのだけど。。

睡眠の問題

睡眠が話題の勉強会や講習会に参加すると、演者の先生が必ず言われるのが、「日本人の睡眠時間は短すぎる」「睡眠がおろそかにされる文化がある」ということ


寝る時間を惜しんで勉強や仕事に励むことが美徳とされたり、徹夜で過ごすことを武勇伝のように語ったり。。。


私が思いつく、睡眠を良いもの、必要なものとして奨励しているのは「寝る子は育つ」という言葉くらい・・?


それですら、子供が長く眠ること、寝坊することに対するお目こぼしの意図が入っているようにも感じるのは私だけ?


世界的には、小学生は10時間前後(9-11時間)、中高生は8-10時間、成人も8時間前後(6時間以上)の睡眠をとることが推奨されている


でも、日本ではこれだけしっかり睡眠を継続的にとっている人は少ないことがわかっている


私も、それはすごく実感するし、睡眠時間を確保したくてもできない現実があるのはとてもよくわかる。


先日も、朝なかなか起きられない女子高生(問診する限り、ロングスリーパー)の親御さんと話してて。。。


私が、「〇〇ちゃんが、朝起きられないのは仕方ないと思います。


高校生の場合、6時半に起きるためには、22時半には寝ないと身体に負担になるということがわかってきてます。


今の就寝時刻のままでは、どうやっても朝すっきり起きることはできません」と言うと親御さんは涙を浮かべながら、事情を話された



子供が部活&塾から家に帰ってきて、夕食&お風呂、少し自由時間をとると、それだけでも22時は過ぎてしまう


そこから学校の課題や塾の宿題に取り組まなくてはならず。。。

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そして、先日は塾の先生との面談で、もっと塾で自主勉する時間、塾の宿題をきちんとこなす時間を作る必要があることを告げられたのだと


早く寝ることが大切なのはわかるが、だからといって勉強せず寝て良いとも言えない、と。。。


そうなんだよなぁ。。。


子供自身が早く眠りたくても、親御さんが子供を早く寝かせたくても、そうできない事情はよくわかる


だから、大谷翔平選手が睡眠を何より大切にしていることにまつわるネットニュースをみるたびに、嬉しくなる


日本人全体が、もっと睡眠を大切に考える方向を向かないと、子供たちの睡眠の問題が改善しないだろうから。。。


というわけで、今年も大谷選手が活躍しますように(話が飛びすぎ?!)


わかってない

子供たちの小学校や中学校への入学に際し、支援学級や支援学校への入級・入学を検討する会議が今年度もあちこちの自治体(教育委員会)で行われた


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私は、だいぶ昔に一度、上司の代理で出席したことがあるだけで、最近の会議には出席したことはない。




私の仕事は、形式的な(と私は感じる)意見書をひたすら書くだけ。。。


お世話になっている病院の上司は、今年も会議に出席し、会議翌日はため息をつきながら愚痴をこぼしに来られた


「教育の先生たちって、本当にわかってない。自分たちが対応が大変になりそうな、行動化している子供でなければ、支援の必要性を感じられないというのが。。。


行動化しているかどうかとIQ値でしか子供を見ていない。


自閉症で、受け身なタイプで行動化してないけど、絶対本人が困っていきそうな子(上司が主治医をしている)、私がいくら支援校で手厚く学んだ方が良いと言っても『この子は大丈夫でしょう』と、支援級に決まって。。。


大丈夫って、何が大丈夫なんだろう!!


自分たちが、扱いやすいから大丈夫って??


本人にどんな特性があって、今後何が心配となるか、少しは考えてる?!


本当にわかってない!」と上司は会議中に叫びたかっただろう熱い思いをぶちまけた


私も、上司の気持ちがよくわかる


確かに、幼児期は多動・衝動性が強い子はわかりやすいけど、不注意があると判断するのは難しいから、ぼーっとしがちな子はそれだけでは支援の必要性が感じられないかもしれない。


対人トラブルが絶えない子なら支援の必要性を感じても、1人でおとなしく過ごしている子に特別な対応が必要とは思えないかもしれない。


でも、これだけ不登校児が増えてきているのだから、行動化している、外在化している子供たちへの対応はこのまま続けるのはもちろん、内在化している、内在化していきそうな子供たちへの洞察を、学校の先生たちにもっとしてほしい


まずは、就学時の会議で自分たちが進学先を判断した子供たちについて、その判断が長期的にみて適切だったのかどうか、少なくとも小学校高学年くらいで再度確認するなどしてほしい。


そういうことをちゃんとしている自治体ってあるのかな?

ギャラリー
  • まおの悲しみ ②
  • 表裏一体
  • ペアレントトレーニング ⑤ ~無視は難しい ③~ 
  • 心理評価の結果説明 ~我が家の場合 ④~
  • WISC-Ⅴ ② ~新しい指標について~
  • 自分じゃないとうまくいく?
  • 迷うなら支援を ~ドルジの場合~
  • ペアレントトレーニング ⑤ ~無視は難しい ②~
  • まおの悲しみ ①