不登校児ママの発達相談外来

発達障害や不登校の子供たちを診療している小児科医です。わが子も発達障害&不登校で日々格闘中。

おすすめ

水を縫う

最近アマゾンのおススメに見かけてポチっとした本



手芸(特に刺繍)が大好きな男子高校生が主人公、彼や彼の家族の人となりや人生について書かれたお話だった

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全体として、すごくじ~んとくる、温かい小説だったな


私が感じたのは、人の言動はその人の持って生まれた個性と環境から受けた影響、経験から紡ぎ出されるというあたりまえのこと


前向きに生きていくためにはアドラー心理学の考え方をベースに、「どうとらえるも何を選ぶも自分次第」と考えらえたら理想





でも、自分自身のことや自分以外の人を理解するためには、なぜそのような言動に至ったかをフロイトやユング心理学をベースに思いを馳せることが大切だと思う


過去を振り返ることも大事だし、過去にとらわれず未来を見据えることも大事


そして、何より、自分の周りにいる人を大切にしながら今を精一杯生きることが大切




そんなことをあらためて感じさせてくれるお話だった

しろいろの街の、その骨の体温の

「コンビニ人間」を読んだ後、同じ作者さんの別のお話を読みたくなって買った本








面白かったのだけど、ブログに記事を載せるほどには、私の中で消化できていなかった


でも、最近読み返してみて、感じたことなどを書き留めておきたくなった


どちらかというと陰キャタイプの女の子が成長していく過程が描かれたお話で、小学校中学年から中学校3年生までの軌跡


女の子は大好きな同級生の男の子(ちなみに、彼は陽キャタイプ)や友達、クラスメートとの交流、つきあいを通して変化、成長していく。


女の子は早いうちから男の子にキスやそれ以上を求めていくのだけど、その描写が心情的にも身体的にもとてもリアルに書かれていて、年甲斐もなく?ドキドキ

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でも、そうやって心と身体を性急に求めてしまう危うさにひやひやもした


子供の頃、金八先生で中学生女子が同級生男子の子供を妊娠してしまうストーリーに衝撃を受けたけど、こういう過程を経てそうなってしまうのだなぁと、あらためて理解できた感じ


発達相談外来では、この話の主人公とは異なり、そもそも恋愛以前に同性との交流やクラスメートといること自体がストレスで避けようとする、避けざるを得ない子供たちと多く出会うことになる


だから、恋愛について心配が必要なケースはあまり多くないのだけど、まれ~に外来で彼氏・彼女について話題にする子供はいる


そんな時の私は本当に無力。。。「先生には恋愛相談は難しいなぁ。でも、困ったことがあったら言ってね」って言うしかないね

クスノキの番人

「夢幻花」がとても面白かったので、東野圭吾さんの他の作品も読みたくなった





そういえば、「秘密」とか「容疑者Xの献身」など、何年も前に読んだ本が本棚にあったはず。。。


詳細は覚えていないし、これらもまた読み返してみたいな


今回読んだのは「クスノキの番人」



「夢幻花」をユング心理学ベースに読んだ影響か、この本を読んでても、頭の片隅にこれまでに学んだ心理学的な考え方がちらちら浮かんできた


自分の人生に投げやりになっていた主人公は、ひょんなことから、クスノキの番人として働き始める。

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クスノキには不思議な力があり、その力を求めていろいろな人が祈念にやってくる






そうした人々との交流を通して、主人公は変わっていき、周囲の人たちに良い影響を与えていく。。。


まず、クスノキの力とそれによっておこる出来事が、私に異界の存在を思い出させた





異界に住む子供時代から徐々に異界と距離をおくようになって大人になるわけだけど。。。


大人の場合は心が弱ると異界との距離がぐっと近くなる








でも、異界のイメージを自分なりに心の中に抱えることができると、新たな世界が切り開かれる。


そのことが、あらためて思い出された





それから、自分自身の能力や生まれ・育ちを卑下していた主人公が、徐々にそれらを受け入れ、前向きに生きようとする姿から、アドラー心理学で学んだ「配られたカードで勝負する」しかないのだということも






筆者のプロフィールを見ると、大阪府立大学工学部を卒業、と書いてある


大学では文学や心理学を集中的に学んだというわけではないのだろうし、どうやってこんなにたくさんの物語を作る力を育まれたのだろう。。。


もちろん、生来的に配られたカードの中にそういった能力があったのだろうけど、それを磨いてきたのは筆者自身だと思うから。。


そんなことを徒然考えた

ひとコマ漢字

学校教育では教科書を読み、ノートに書く学習が相変わらず定番であり王道だけど、巷では学習用ソフトやアプリがたくさん開発されてきている


でも、種類が多すぎてどれが良いのか、どれがどういう子に合うのか情報収集不足もあって、困っている。。


今回、作業療法士さんから実際に訓練でよく使っているという漢字アプリを教えてもらった


それは「ひとコマ漢字」





早速、自分のタブレットに入れてやってみた


クスっと笑えるような文章の中に練習する漢字が設定されていた。


そして、書き順、とめやはらいを間違うと誘導が入り、すぐに修正して練習できるように設定されている

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1文字練習が終わるごとに文章を表した絵が現れ、そんなことを繰り返し5文字終われば1ステージ終了。


語呂合わせやパーツ合わせを中心に漢字を覚えるのではなく、あくまでも書き順と字そのもの、それから関連付けた絵や文で覚える、王道の漢字学習法といった感じ


このアプリを使うと、ノートに書くよりずっとハードルがさがる子たちは多いだろうし、小学校でも取り入れてもらえたら良いのにな


いくら良いアプリでも、学校や宿題ではノートに漢字練習、さらに加えてアプリでも学習なんて、もともと漢字学習が好きでやる気のある子か、訓練時や塾などで取り組む子以外には継続的にできない気がするから。。。


学校も、進研ゼミみたいに紙教材とタブレット教材を選択出来きるようになったら良いのにな


三千円の使いかた

Amazonで見かけて、題名に惹かれ衝動買いした本


お金について悩む登場人物たち(祖母、母、娘など)それぞれが、自分なりに模索し解決していこうとするお話だった


それぞれ悩みが異なり、解決方法も異なるけど、お互いが関わり合いお金に関してもそれぞれが良い形で助け合って生きていく様子がすごく良かったな


私も、若いころから今まで、お金とどう向き合ってきたのか、これからどうしていくべきなのか考えさせられた。


私がお金について悩んで模索したのは、大学生の頃と、まおの出産前後のころ


大学生のころは、生活していくには十分な仕送りを両親からもらっていたけれど、それ以外の自分がやりたいことや買いたいものにかかる費用とバイトして稼げるお金とつり合いとるのが難しかったな


勧められるがまま高い化粧品セットを購入して、ローン地獄になったのも今となっては良い思い出。。


まおの出産前後に投資を始めたことは、何度かブログ記事書いたかな








あの頃、このままじゃダメだ!という危機感から、投資の門をくぐり、今の投資スタイルにつながっていった。


今の私だったら、三千円を何に使うと答えるかな・・?


全部投資資金に!とはならないな


漫画購入費用か友達とのランチ費用に消えるかな。。。

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投資ももちろん大切だけど、お金を使って今を豊かに暮らすことも大切だよね


ギャラリー
  • まおの悲しみ ②
  • 表裏一体
  • ペアレントトレーニング ⑤ ~無視は難しい ③~ 
  • 心理評価の結果説明 ~我が家の場合 ④~
  • WISC-Ⅴ ② ~新しい指標について~
  • 自分じゃないとうまくいく?
  • 迷うなら支援を ~ドルジの場合~
  • ペアレントトレーニング ⑤ ~無視は難しい ②~
  • まおの悲しみ ①