発達相談外来では、「学習障害かどうか診断してほしい」「学習障害と言われたので、訓練(治療)を受けたい」という相談も多く受ける


学習障害の診断は、私にとってASDやADHDなどと診断するより、ずっとずっと難しい


ASDやADHDは、WISCなどの検査を必ずしもしなくとも、子供の行動を観察したり、コミュニケーションをとったり、親御さんから情報を得るだけでも十分判断できることが多い。




でも、学習障害は違う


学習障害を疑われる子供たちは、何かしら勉強につまずきがあるのはみんなに共通しているが、「勉強の遅れ」があることだけでは診断がつかない


それから、学習障害では、その障害の領域が様々な可能性がある(読むことなのか、書くことなのか、意味理解なのか、計算なのか、図形なのかetc)ことも診断を難しくしている

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DSM-5の診断基準によると

限局性学習症/限局性学習障害

A.学業や学業的技能の使用に困難があり、その困難を対象とした介入が提供されているにもかかわらず、以下の症状の少なくとも1つが存在し、少なくとも6か月以上持続していることで明らかになる。

 ①不適格または速度が遅く、努力を要する読字
 ②読んでいる物の意味を理解することの困難さ
 ③綴り字の困難さ
 ④書字表出の困難さ
 ⑤数学の概念、数値、または計算を習得することの困難さ
 ⑥数学的推論の困難さ

B.欠陥のある学業的技能は、その人の暦年齢に期待されるよりも、著明にかつ定量的に低く、学業または職業遂行能力、または日常生活活動に意味のある障害を引き起こしており、個別志向の標準化された到達尺度および総合的な臨床評価で確認されている。17歳以上の人においては、確認された学習困難の経歴は標準化された評価の代わりにしてよいかもしれない。

C.学習困難は学齢期に始まるが、欠陥のある学業的技能に対する要求が、その人の限られた能力を超えるまでは完全に明らかにはならないかもしれない。

D.学習困難は知的能力障害群、非矯正視力または張力、他の精神または神経疾患、心理社会的逆境、学業的指導に用いる言語の習熟度不足、または不適切な教育的指導によってはうまく説明されない。



実は、診断基準の詳細はまだまだ続くのだけど、とりあえず基本はここまで。



外来では、まず子供の学習不振が知的能力障害(知的障害)によるものか、知的能力障害ではないのか判断する


学校側が学習不振を理由に病院の受診を勧めるとき、「知的障害かもしれないから」「理解力が悪いから」とはめったに親御さんには言われない。


でも、「学習障害かもしれないから」とは言いやすいようで、親御さんから「学習障害じゃないか診てもらってくださいと言われました」と聞くことが多い。


そのこと自体は問題ではないのだけど、「学習障害」なのか「知的障害」なのか、親御さんがもつ印象はずいぶん違うようだから、外来で「知的な遅れが主因です」と話さなくちゃならない時は、やっぱり少し気が重い


それが私の役割だから、仕方ないのだけどね。。。

(続く)







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