不登校児ママの発達相談外来

発達障害や不登校の子供たちを診療している小児科医です。わが子も発達障害&不登校で日々格闘中。

2021年09月

ADHDの診断②   〜ADHD RS  ②〜

ADHD-RSで、親御さんにつけてもらった結果も担任の先生につけてもらった結果も似たような結果になれば、ADHDと診断するかどうかはそんなに迷わない





でも、時々結果が大きく異なるときがある



担任の先生は高得点をつけても、親御さんのつけた点数が低い、あるいは担任の先生のつけた点数が低くて、親御さんのつけた点数が高い。



そんな時は、ちょっと判断が難しくなる




そもそも、ADHDの診断基準は


A 不注意について 9つの症状のうち6つ以上を満たすこと
 および/または 多動性および衝動性について 9つの症状のうち6つ以上を満たすこと
  (症状の詳細は省略してます。ADHD-RSの項目と同じ)
  

B 不注意または多動性ー衝動性のうちいくつかが12歳になる前から存在していた


C 不注意または多動性ー衝動性のうちいくつかが2つ以上の状況(家庭、学校、職場、友人や親戚といるとき、その他の活動中)において存在する


D これらの症状が、社会的、学業的、または職業的機能を損なわせているまたはその質を低下させているという明確な証拠がある


E その症状は、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中にのみおこるものではなく、他の精神疾患(気分障害、不安症、解離症、パーソナリティ障害、物質中毒または離脱)ではうまく説明されない


となっていて、AからEのすべてを満たすことが条件。



Cの条件を考えると、2つ以上の状況で症状を認める、つまり、子供の場合は家庭と学校の両方で症状がなければならない



だから、親御さんも先生もADHD-RSで高得点をつけるときは2つ以上の場所で症状がある、と判断しやすいけど、どっちかで点数が低かったら、判断が難しい



そんな時は、限られた時間ではあるけれど、診察時の言動や心理評価や他の検査を受けるときの子供の様子を普段以上に参考にせざるを得ない。


そうして、自分自身の経験やスタッフの意見をもとに、ADHDと診断すべきかどうかを判断している



例えば小学校低学年くらいまでで、多動や衝動が強い場合

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担任の先生がすごく困ってるのに、親御さんが「子供はこんなもの」と思っている場合もある。


逆に、親御さんがすごく困ってても、担任の先生は「低学年ならこのくらいの子もいる」と判断している場合もある。



私の経験では、最近は、担任の先生が困っているケースでは、診断や投薬が必要と感じることが多い



子供たちを集団で見ている先生たちには、ADHD特性(多動性、衝動性)がある子はわかりやすい



担任の先生のキャパによるところもあるけど、先生のキャパを広げるようにお願いするより、子供自身の特性を和らげてあげた方がうまくいくことが多いなぁと感じる



もちろん、治療の基本が「環境を整えること」だから、まずは診断をつけて担任の先生、学校に配慮をお願いすること、親御さんになるべく怒りすぎずに日常を過ごすよう伝えることが一番大切だとは思ってる。


素の子供たちが、ちょっとした配慮で適応できるのが一番理想なのかな。。




(続く)






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いただきもの 梨とプルーンゼリー、台湾カステラとパン


栗ご飯のおにぎりもあったのだけど、食べてから写真を撮り忘れたことに気付いた



台湾カステラがふわふわで、とろけそうだった


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生きること、死ぬこと

ドルジと「生きること」について話していた時





ドルジが「俺は、死ぬことは生きることの反対ではないと思うんだ。


人間を一つの種としてみたとき、古い個体は死んで、新しい個体に置き換わっていく。



そうやって、種を保存しつつ変化もしていくために、死は必要なことなんだ。



死ぬことは、生きることの延長にあるだけで、反対のものではないんだ。



だから、俺は死ぬことは怖くない。」と言った



そう…そりゃ、死ぬことを自分のことではなくて、人間全体で考えたらそうかもしれないけど…


自分自身や大切な人の死は、やっぱり生きることの延長なんかじゃないよ。。


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私はそう思ったけど、そのときはうまくドルジに言えなかった。


まだまだ現実とは折り合いがつけられないドルジ


思考の世界で長い時間を過ごしている



ドルジの目標に向かって、「地に足つけて」生きてほしいと願っているのだけど…





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6月につけたびわ酒を試飲してみた


見た目は梅酒そっくり


味は…杏露酒と言えないこともないけど、ちょっと違う。


美味!って感じではなく、でも不味いわけでもない…


微妙〜


ちょうど飲むヨーグルトがあったので、混ぜたら、ヨーグルトのお酒みたいになって、それは美味しかった


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特別児童扶養手当 ②

特別児童扶養手当の診断書記載を依頼された場合、もちろん医師には診断書を書く義務があるわけだけど。。。





手当を受給できるかどうかが、その診断書にかかってると思うと、荷が重い


もちろん、私から見た事実をただ記載すればいいのだけど。


書き方ひとつで受給できるかできないか分かれるのかもしれないと思うとプレッシャー


(とは言っても、今のところは100パーセント申請が通ってる)


でも、記事にもあったように、そろそろ明確な受給基準が必要なんじゃないかと思う


ここ最近、申請を希望する方が急増しているから…



これは私の感覚でしかないけど、知的障害での手当受給が外れた軽度知的障害で、発達障害を合併している場合は手当の申請を精神障害でし直す、というのは納得しやすい


多くの場合でその子供は支援学校に通っており、今後も社会的な支援は不可欠だから。



でも、それ以外、地元の学校へ通っている子供たちの場合。。。


例えばASDの診断があっても(担任の配慮は得つつ)適応は良く、通常級に在籍し、お薬も必要ないという場合など…



親御さんが、もらえるものなら手当をもらって、将来に備えたい、という気持ちはわからなくもないけど。。。


「申請して許可を求める」ものである以上、現時点では手当の申請が却下されても当然だろうという感覚になる。



もちろん、これから先にその子が順調に適応していく保証はないかもしれないけど、適応できる可能性だってちゃんとある


グレーにはグレーの大変さがあることは、わかる


支援の必要性がわかってもらえず、大変な思いをされてる方がいっぱいいるのもわかっている。



だから、大きな傘をかけることが理想ではあるけれど。。。

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厳密な審査などせず、申請されたものはすべて受理する、とか、一般の子ども手当を拡充する方向にするとか






でも、きっとそんなこと無理なんだろうなぁ。。


もし、精神障害(子供の場合はほとんど発達障害)で、受給基準を作るとしたら…


お薬を飲んでいる、かつ支援学級に所属している場合などが妥当…?



これから実際どういう方向性になるのだろうな






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我が家の家庭菜園


サラダ春菊は順調


ラディッシュの芽も出てきた


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トーキングゲーム ③  〜まおの場合〜

家族でやったトーキングゲームの続き…



「無人島でひとりだけで暮らすとしたら、何を持っていく?」というカードに当たったまお

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しばらく考えて、「ママ」と答えた



私ですか


そりゃ、何をおいてもママが必要


ママさえいてくれたら…と思ってくれてるのなら、嬉しいことなのだろうけど…


私に全てのことをさせよう、してもらおうという魂胆では…?という疑念も浮かぶ



頼れるうちは、頼りたいだけ頼っていい、という気持ちもあるけど、いつまでも守って、寄り添ってあげられるわけじゃない。


もちろん、そんなことまおもわかっているのだろうけど


ママはここにいるし、いつでもまおの味方だよ


だから、勇気を出して、外の世界に飛び込んでごらん


愛着形成ができて母の元から一歩を踏み出した小さい子の育ちと一緒だなぁ。。



まおの安全基地になれて良かった








「歴史なんて知って、どんな意味があるの?!」と小学生だったドルジに言われて、うまく説明できず


男の子に人気だと聞いた「三国志」を全巻買って置いておいた


ドルジは夢中に読みふけり、今ではゆづも時間があれば手に取り読んでいる


歴史に興味を持ったドルジだけど。。。


最近はもっぱら第一次世界大戦後から現代の世界史について調べて読んでいる。


今の世界のパワーバランスがどうやって生まれてきたのか興味があるらしい


ドルジとの会話がきっかけで、私も今更ながら歴史を勉強しています


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目標がある

中学校1年生のころ、ドルジはたびたび「生きるって、どんな意味があると思う?」「人はどうして生きるの?」など、生きることの意義を考え続けていた時があった


私なりにドルジの問いに答えてはいたけど、ドルジは全く納得していないようだった


自分で考えてもらうしかない、と思い、本を渡したりもした。





読み終わるまで、ドルジはこの本を外出先にまで持っていくほど熱中していた


読み終わったころに「どう?納得できること書いてあった?」と聞いてみたら。。。



ドルジは「いや。。特に。なんか、当たり前のこと書いてあるだけなんだよね。」と言う。


そうか。。。。


ドルジがどんな答えを求めているのか、私にはわからなかった



最近になり、ドルジとまた人の生死について話す機会があった。


ドルジに「ドルジも、生きる意味が見いだせなくて、死にたくなるようなときはあるの?」と聞いた。


するとドルジは「うん。。。前はそう感じるときもあったけど。今はちがうかな。


目標ができた。だから、生きるよ。」と答えた


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その言葉を聞いて、私はすごく嬉しかった


ドルジに、生きるための目標が見つかったんだ。。。


でも、それってどんなこと?!


私が、「その目標がどんなものか気になる!」と言ったら、


「内緒」と。。。


そうだよね。そんな軽々しく口に出したくないよね。



ドルジがその目標に至るまでに経た思考や、その目標をいつか教えてもらうことができたら、発達相談外来で出会う、ドルジのような子供たちの精神世界をより理解できるだろうし、アドバイスしてあげられることもできるのじゃないかなぁと考える私。。


いつか、話してもいい、と思えるようになったら教えてね





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実家の畑


大根のそばに見慣れない白い花が…


ニラの花らしい


特別ニラのの種を蒔いたわけではなくて、以前から庭のあちこちに生えてるのだとか


知らなかった


花が咲いてたら、水仙の葉を間違えて食べることもないなぁ


そして、ニラの花のそばにはじゃがいもの葉も生えてる


土の中に残っていたお芋から生えてきたみたい


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ギャラリー
  • まおの悲しみ ②
  • 表裏一体
  • ペアレントトレーニング ⑤ ~無視は難しい ③~ 
  • 心理評価の結果説明 ~我が家の場合 ④~
  • WISC-Ⅴ ② ~新しい指標について~
  • 自分じゃないとうまくいく?
  • 迷うなら支援を ~ドルジの場合~
  • ペアレントトレーニング ⑤ ~無視は難しい ②~
  • まおの悲しみ ①