こだわりや衝動性が強く、扱いが難しい、ASD特性がある幼児
その子が2~3歳のころ、お母さんは受診のたびに「この子の未来に希望を持てません」「この子を育てる自信がありません」「どこかに里子に出せないでしょうか」etc と、子供に対して拒否的な思いを吐露された
子供の問題に対して、誰もがはじめは拒否的にはなるけど、そのお母さんは拒否する程度が強く、心配だった。
その子自身は、対人性は悪くなく、受診の際はNsと楽しそうにやりとりしながら遊ぶ姿もみられていた
お母さんが訴えられるほど、対応が難しい子には見えない。
凸凹はあるのだろうけど、ASD特性はそれほど強くはなさそうだなぁ。。と思っていたのだが。。。
あるとき、両親そろって外来受診された。
お母さんは相変わらず日常生活でとても大変なこと、できれば子供をどこかに預けたいことなど訴えられたが、お父さんは何も言われず、だまって聞いておられた。
子供はいつものようにNsと遊んでいたのだけど、ちょこちょこお父さんのところにやってきては抱っこを求めたり、手をひいて一緒に遊ぼうと誘ったり
子供の方からお母さんに対しては全く見られなかった愛着を示す行動が、お父さんに対してはとてもよくみられた
私はその子は持って生まれた特性よりも、お母さんとの愛着の問題がとても大きくなっているのだと気付いた
診察が終わって帰るとき、その子はさっとお父さんの手をとって、にこにこ挨拶をしてくれた。
いつも母を置いて診察室を出て行っていたその子とは全然違う姿だった
ラッキーなことに、その次の外来にはお父さんだけがその子と一緒に来られた。
私は、その子の特性よりも、お母さんとの愛着の問題が大きいことを伝えたが、お父さんはちゃんと気付いておられた
その上で、お母さんを責めるような発言はされず、「妻が言うように、この子を誰かに預けるなんて考えてもいません。この子はこの子なりに成長しているし、とてもかわいいと思っています。でも、妻は子育てが難しいと言っているので、できるだけ自分がこの子の相手をしてやろうと思っています。」と言われた。
子供も、お母さんもすっぽり包み込む、大きなお父さん
実際にその後も療育や診察にお父さんが連れて来られることも多かった。
成長とともに、その子の特性も集団生活や日常生活で支障はないくらい目立たなくなった。
お母さんは相変わらず心配なこと、日常生活で大変なことを訴えられたが、その子の成長自体はちゃんと感じてくださり、「育てられない」と言われることはなくなった
就学前の診察で、通常級に入学して大丈夫なことを告げると、お母さんは「本当に大丈夫なのか心配ですけど。。。でも、この子なりに成長しているんですね。」と言われた
子供の状態に大きく影響するもの、「生まれか育ちか」なら、やっぱり「生まれ」、持って生まれたものだと思っているという意見にかわりはない。
でも、成長していく中で、「育ち」の部分、環境から影響を受けたものの中で、特に愛着形成は重要だと思い知ったケース
みんなが「愛される連鎖」を受け継いでいけるといいのだけどな。
「味の素」からの株主優待品
どれもありがたいのだけど。。。特にタンドリーチキンと参鶏湯を作るのが楽しみだな
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子供の問題に対して、誰もがはじめは拒否的にはなるけど、そのお母さんは拒否する程度が強く、心配だった。
その子自身は、対人性は悪くなく、受診の際はNsと楽しそうにやりとりしながら遊ぶ姿もみられていた
お母さんが訴えられるほど、対応が難しい子には見えない。
凸凹はあるのだろうけど、ASD特性はそれほど強くはなさそうだなぁ。。と思っていたのだが。。。
あるとき、両親そろって外来受診された。
お母さんは相変わらず日常生活でとても大変なこと、できれば子供をどこかに預けたいことなど訴えられたが、お父さんは何も言われず、だまって聞いておられた。
子供はいつものようにNsと遊んでいたのだけど、ちょこちょこお父さんのところにやってきては抱っこを求めたり、手をひいて一緒に遊ぼうと誘ったり
子供の方からお母さんに対しては全く見られなかった愛着を示す行動が、お父さんに対してはとてもよくみられた
私はその子は持って生まれた特性よりも、お母さんとの愛着の問題がとても大きくなっているのだと気付いた
診察が終わって帰るとき、その子はさっとお父さんの手をとって、にこにこ挨拶をしてくれた。
いつも母を置いて診察室を出て行っていたその子とは全然違う姿だった
ラッキーなことに、その次の外来にはお父さんだけがその子と一緒に来られた。
私は、その子の特性よりも、お母さんとの愛着の問題が大きいことを伝えたが、お父さんはちゃんと気付いておられた
その上で、お母さんを責めるような発言はされず、「妻が言うように、この子を誰かに預けるなんて考えてもいません。この子はこの子なりに成長しているし、とてもかわいいと思っています。でも、妻は子育てが難しいと言っているので、できるだけ自分がこの子の相手をしてやろうと思っています。」と言われた。
子供も、お母さんもすっぽり包み込む、大きなお父さん
実際にその後も療育や診察にお父さんが連れて来られることも多かった。
成長とともに、その子の特性も集団生活や日常生活で支障はないくらい目立たなくなった。
お母さんは相変わらず心配なこと、日常生活で大変なことを訴えられたが、その子の成長自体はちゃんと感じてくださり、「育てられない」と言われることはなくなった
就学前の診察で、通常級に入学して大丈夫なことを告げると、お母さんは「本当に大丈夫なのか心配ですけど。。。でも、この子なりに成長しているんですね。」と言われた
子供の状態に大きく影響するもの、「生まれか育ちか」なら、やっぱり「生まれ」、持って生まれたものだと思っているという意見にかわりはない。
でも、成長していく中で、「育ち」の部分、環境から影響を受けたものの中で、特に愛着形成は重要だと思い知ったケース
みんなが「愛される連鎖」を受け継いでいけるといいのだけどな。
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どれもありがたいのだけど。。。特にタンドリーチキンと参鶏湯を作るのが楽しみだな
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