社会への敵意が測定できる装置に入ったら、とても高い数値が出た夢を見たという話を聞いて…




でも、当の本人は社会への敵意は無いと、明確に否定する。


そして、それもまたその通りなのだろうと思う


診察室で話す彼女(ASD児)は、とても純粋で繊細


人に何か迷惑をかけたのではないか、いつも気にしている


「すみません、私、空気読めなくて…」としょっちゅう言うのも、彼女なりの処世術。


私も時々使ってるなぁ


発達特性、特にASD特性を持つと、自分が少数派であることを日々思い知らされる。







どんなに頑張っても、多数派にはなれない


それらしく振る舞うことはある程度できるけど…


そして、そういう多数派が作る社会への憧れと同時に怒りや悲しみも持つこともある

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そういった複雑な気持ちを自分自身で意識しているか、それとも無意識の領域に押しとどめているかでさまざまな現れ方になるのだと思う



悪夢を話してくれたASD児も、よく、友達がなかなかできないことを悲しいこと、残念なこととして話してくれる。


そして、教室で楽しそうに友達と話している女子たちを見ると、うらやましいし、仲良くなりたいと近付いていった相手が、自分にはつれなくて、他の誰かと楽しそうにしていると、嫉妬してしまうと言う


そういう気持ちは誰もが持ちうるものだと思うけど、ASD特性を持つと、人一倍そういう機会が多くなるのかもしれないな


でも、そういった気持ちと、「社会への敵意」には大きな隔たりがある。


怒りや悲しみは、内側を向くことが多いし、人のちょっとした優しさに触れられたら、ずいぶん癒される。











だから、社会で生きてく苦しみが社会への敵意にならないようにするためには、怒りや悲しみなど負の感情を適度に外に向けることもしつつ、人と関わり続けることが大切なのかなぁと思う




いろいろ考えたけど、やっぱり悪夢の話をしてくれたASD児には「そっかぁ。それは怖い夢だったね。」と返すしかない気がする。


付け加えるとしたら。。。「話してくれて嬉しい、良かった」とか、「怖い気持ちわかるよ」とか?


もっと良い対応があるかなぁ。。。