学習障害の診断をするためには、診察ではまずは学校での学習状況を確認する


担任の先生からお手紙なんかで情報をもらったり、テストやプリント、ノート類を直接病院に持ってきてもらったりする。

IMG_9168

普段どのような字で書いているのか。

漢字の読み書きの程度や文章題の読解力。

算数の学力もテストやプリントを見ることで、だいぶ推測できる。


(ただ、支援学級を利用している子供の場合、テストやプリントはかなり担任からサポートをもらって書いていることも多く、その場合は子供自身はどこまで理解できているかは見えにくい)


それから、「読字」に関してはガイドラインを参考に簡単なスクリーニング検査をする





私が利用しているのは、単語(有意味語と無意味語)を読ませる課題と、短文を読ませる課題の一部。


文字を読む正確性と流暢性を確認する


この検査は、診察後さらに学習障害の可能性を検査する際には「読み書き評価」として心理士や言語聴覚士の先生たちに必要な課題を全部行ってもらう


検査を勧める場合、「読み書き評価」の前に、まずは知的発達の確認から。


そのためにはWISC-Ⅳを施行することがほとんど。


確認したいのが、学習の遅れが知的発達の遅れからくるのかそうじゃないのかということ





WISC-ⅣのFSIQが90以上くらいの場合は知的な遅れからくる学習の遅れとは考えにくいから、「学習障害」の可能性をほぼ確信できる


でも、FSIQ 80台くらいでは、心理評価のプロフィールによっては学習障害というより、知的な遅れ、理解力の弱さが学習の遅れの主因と判断することが多くなる


例えば、言語理解指標(VCI)と知覚推理指標(PRI)が相対的に高くて90前後(GAIが平均域)でワーキングメモリ指標(WMI)や処理速度指標(PSI)が低い場合は理解力は年齢相応だから、学習障害の可能性が高くなる。


一方でVCIやPRIが相対的に低くてWMIやPSIが高い場合は学習障害ではなく、知的能力の弱さが学習の遅れの主因と考える。


そして、FSIQ  80台以下では、知的能力の弱さが学習の遅れの主因と判断する


そして、病院によっては、WISCの結果によって、読み書き評価は必要なし、と判断するところもある


もちろん、知的な弱さがあったとしても、そのIQ値に見合わない読み書きの弱さがある場合もあるが、FSIQ 80以下の場合はたとえ読み書きをサポートしても、本来の理解力の弱さからやっぱり学習の積み上がりはゆっくり。


診断としては「知的な遅れ+読み書き障害の特徴もある」となり、「学習障害」とは言わない


まぁ、どんなタイプだとしても学習の遅れがあるというだけでも個別の支援や配慮が必要なことにかわりはない。


でも、知的発達の状態を正確に判断することで、その子にどの程度の支援や配慮が必要か、どの程度本人に頑張らせるのが適当なのかを先生や親御さんにもわかりやすくなる。


IQ値がすべてではないけど、すごく参考にはなるので、検査結果を、十分に生かしてほしいなぁ













最近見つけて読んでみたら、とても面白くて大人買いしちゃった漫画


ブスでいけてない「喪女」の主人公が、クラスで一番のイケメンに好かれて、高校生活が楽しくなっていくお話


主人公に感情移入して、とても楽しく読める


日々のストレスがちょっと解消されるなぁ


(↓応援してもらえたら嬉しいです
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキング